JR九州の売上高など業績と予想株価 【 WEB金融新聞 】

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上場するJR九州の売上高など業績と予想株価

旧国鉄・JRグループの一つである「JR九州」が株式上場がほぼ決定のようです。2016年早々にも上場かと言われていましたが、4月の熊本地震の影響などから一時延期されていました。それがいよいよ上場となる訳です。

JR九州は文字通り、九州一帯を拠点とする鉄道事業がメインです。過去の財務諸表を見ると、2011年に大きく売上高が伸びています(前年比+20%超)が、これは博多〜鹿児島間を結ぶ九州新幹線の開通が大きく貢献しています。

JR九州の損益計算書(単位:百万円)
売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
総売上高 鉄道事業 鉄道外事業
2008年 157010 138756 18254 4278 11712 1614
2009年 154373 129873 24500 -2464 4837 1844
2010年 158422 132913 25509 -3169 4650 2808
2011年 190730 159996 30734 4288 10281 3326
2012年 193002 161048 31954 1550 7587 2057
2013年 196445 162894 33551 -1905 11615 7232
2014年 200150 163299 36851 1851 16375 9502
2015年 211100 169189 41911 5409 18284 -444439

※財務諸表の出典;JR九州HPのIR情報
※2015年度の大赤字は、固定資産の評価額を変更した事による特別損失。

しかし今後は、鉄道事業で売上を大きく伸ばす要素は少ないです。九州新幹線は、博多〜長崎ルートの開業も予定されていますが、鹿児島ルートほどの需要は無いですから、売上や利益への影響は小さいです。

また、日本の人口が減少していくことは確定事項ですから、ただでさえ田舎の不採算路線が多いJR九州には、この日本のマクロ経済状況は大きな逆風です。2015年から急増している外国人観光客も、九州地方は東京や関西圏ほどの増加ではないので、業績にプラスになる影響は大きくありません。

ラグジュアリー寝台車「ななつ星」や「或る列車」は予約が取れないほどの大人気ですが、所詮はニッチを付いた小規模ビジネスで、総売上が約1700億円の鉄道事業からすれば微々たる貢献にすぎません。

このようにJR九州は、鉄道事業は頭打ちとなる事が予想されるので、今後も利益を成長させて行くためには、鉄道以外の事業の売上を増やしていくことが不可欠です。駅周辺のホテルやマンション開発などの不動産事業や、駅ビル・駅ナカの物販事業、旅行代理店事業、などが該当します。

2015年(16年度決算)は、鉄道事業の売上高=1692億円に対し、鉄道以外の事業の売上は419億円と4分の1以下の規模に過ぎません。JR東・西日本に比べて圧倒的に人口圏が小さく、駅周辺を再開発しても元が取れる商圏は限られることが、大きな問題です。

また株式上場すると、現在受けている固定資産税や都市計画税などの税制優遇措置がなくなり、業績に悪影響を及ぼす点にも注意が必要です。

 

短期的な株価上昇要因は多いが、長期では・・・

JR九州の時価総額は5000億円規模になると予測されており、一般的なIPOとしてはかなり大型案件です。しかし、合計時価総額が10兆円を越えた日本郵政グループは無論、先に上場を果たしたライン(約1兆円)よりも小さいですから、球数が少なくIPOに当選する確率は低くなりそうです。

それに、JR系列という圧倒的な知名度があるので、IPOの主幹事証券(野村など店頭証券)の中心顧客=高齢者には人気となるでしょう。またいきなり東証一部上場となるでしょうからTOPIXに組み入れられますし、日経平均株価にも早期に採用される可能性があります(JR東日本・西日本・東海は全て採用)。

よって、インデックスファンドやETFの運営会社が機械的に購入せざるを得なくなる事も、株価にはプラス要因です。これらの理由により、上場直後は株価は上昇する可能性が高いと思われます。

しかし前述したように、JR九州は長期的な成長余地にはかなり疑問が残るので、成長株ファンドや外国人投資家からの人気は低いと予想され、中〜長期的には株価は低迷するリスクが高いでしょう。

日本郵政のように、見え見えの上場ゴールとなる恐れもあるので、もし買うなら長期保有よりも短期売買(スイングトレード)に徹する方が良いかもしれません。IPOに当選したなら、初値で即売るか、更なる値上がりを狙いたい場合でも1ヶ月以内には売り払う方が無難ではないでしょうか?
※あくまで当サイトの予測であり、株の売買は自己責任で願います。

 

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