日本郵政株をお勧めできない4つの理由 【 WEB金融新聞 】

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日本郵政株をお勧めできない4つの理由

2015年秋以降に、民営化された日本郵政グループは、子会社であるゆうちょ銀行&かんぽ生命と共に、親子同時上場をする事が発表されています。日本郵政は33%が政府持ち分のまま残りの株を上場させ、またゆうちょ・かんぽは日本郵政が50%を所有したまま、残りが上場株として流通する予定です。

日本郵政グループの持ち株比率図解

アナリストの意見でも、投資家達の評判でも、買い推奨派と慎重派に大きく分かれています。はたして、日本郵政の株は得か損どちらなのでしょうか?当サイトでは、日本郵政株はあまりお勧めできないけれど、ゆうちょ銀行やかんぽ生命への投資なら悪くないのでは、と考えています。

確かに、日本郵政には株価上昇となる要因も幾つかあります。日本最後の民営化巨大上場ということで、主幹事会社が、野村・大和・日興などの主要証券が名を連ね、各社共に躍起になっています。彼ら店頭証券の主要顧客である老人層は、誰もが知っており業績も安定している「郵便局」というブランドは、最も売り込みを掛けやすい銘柄です。

またインデックス買いの需要が大きいという、株価上昇要因があります。TOPIXには自動的に組み入れられますし、間違いなく日経平均株価にも採用されます。時価総額加重平均であるTOPIXでは、組み入れ比率も大きいです。その結果、TOPIXや日経平均に連動運用するインデックスファンド(投資信託)やETFが、嫌が応でも日本郵政株を購入してくるので、需給が良化して株価の上昇要因になるという側面です。

 

巨大すぎて需給が悪い上、郵便事業の赤字を背負う

一方で買いを推奨できない理由、株価の下落要因は非常に多いです。その中でも、特に影響の大きい理由を4つあげてみます。
※あくまで当サイトの意見であり、株価動向を保証するものではありません。投資判断は自己責任ですのでご承知を。

理由その1、時価総額が巨大すぎて需給が悪い

日本郵政の時価総額は、推定10兆円近い金額になると言われています。そして、その33%が政府の持ち分、残りの67%が株式市場に売りに出される事になっています。インデックスファンドの強制購入や野村のごり押しセールスすら、飲み込んで余りあるほどの巨大さです。

株価は需要と供給のバランスによって決まります。日本郵政株の購入希望者は相当多いと思われますが、それ以上に膨大な量の株が売り出される事になり、需給関係が悪いので、株価の上昇余地が少ないと考えられます。

理由その2、赤字体質の郵便事業を背負う

日本郵政は、100%子会社である日本郵便(郵便局)を背負っている事が巨大な足かせです。郵便事業は慢性的な赤字経営であり、今後も本業で黒字化する可能性はほぼありません。郵便物を、全国どこへでも一律の金額で送れる日本の郵便制度は素晴らしいですが、当然人口の少ない地域の負担は大きく、かといって過疎地を切り捨てる事もできないため、今後も赤字を垂れ流し続けるしかない状況です。

日本郵便の大きな収益源は、実はゆうちょ銀行とかんぽ生命からの代行手数料(郵便局での窓口業務代行)であり、その額はかんぽ3600億円+ゆうちょ6000億円と巨額です。この手数料を引き上げれば、日本郵便の利益は増えますが、ゆうちょとかんぽの利益が減るので、3社の親会社である日本郵政には結局プラマイゼロです。

こうして日本郵便の解消しようのない赤字が収益の足かせとなり、長期的な成長戦略が期待できないのが、日本郵政の最大の弱点です。

理由その3、現在がプチバブルである事〜NTTの悪夢再来?

付け加えて、2015年現在の日本市場はプチバブル状態である事も不安要素といえます。2020年の東京オリンピックを控え、建設・不動産・旅行会社などの株価が大幅上昇しており、またアベノミクス円安の影響で、日本の株式市場全体も好調です。

しかし、市場が過熱している時に上場すれば、将来的には大暴落に見舞われるリスクが高いです。実際、1987年のバブルピーク直前に民営化〜上場したNTTは、バブル崩壊後に株価の下落が延々と続いた、悪しき前例があります。日本郵政も、NTTと同様になる可能性は十分ありえるでしょう。

理由その4、成長戦略が無いので外国人投資家が買わない

更に、日本郵政は完全なる内需株ですから、国内での熱狂とは裏腹に、外国人投資家からは冷ややかな目で見られています。特に、少子高齢化で成長戦略が不透明である事が嫌われているので、外国人投資家はまず買わない情勢です。日本市場の売買の約60%が外国人投資家なので、彼らがスルーするとなれば自ずと需給は悪化し、上値も限られてきます。

これらの点を総合的に判断すると、日本郵政の株は決して有効な投資対象にはならないだろうと、当サイトでは予想します。証券会社(特に野村証券)が必至にセールスしてくるでしょうが、安易に乗らない方が賢明でしょう。もし郵政関連株を買いたければ、同時に上場予定のゆうちょ銀行やかんぽ生命の方が、まだ長期的な成長戦略が見込めるので、投資対象として有望だと考えられます。

 

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