東京メトロの上場情報 【 WEB金融新聞 】

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東京メトロの上場情報(予想株価や売上推移など)

このページでは東京メトロのIPO(株式上場)について、分析してみます。東京メトロは、東京都内および一部他県まで伸びる地下鉄で、「銀座線」「丸ノ内線」「副都心線」などの計9路線を有しており、その規模は日本最大です。2015年の年間利用者数は28億人にも上り、これはロシア・モスクワ地下鉄に次ぐ、世界第2位の記録です。

2016年度決算では、売上高が約4000億円、純利益が約577億円です。また、売上のうち460億円(およそ1割)が鉄道事業以外による収入です。鉄道以外では、駅ビル・駅ナカなどの不動産事業や流通事業、IT事業など様々なビジネス展開を行っています。

前身は1941年に設立された営団地下鉄で、2004年4月1日より、東京メトロ(東京地下鉄株式会社)となりました。2016年現在、東京メトロの株式を保有しているのは政府(53.4%)と東京都(46.6%)です。つまり、東京メトロは名目上は民営化されたものの、実質的には国と東京都が支配権を握っている、半公営企業という状態です。株式上場して一般の投資家が株主になることで、ようやく本当の民営企業になる訳ですね。

東京メトロの業績推移(損益計算書)
決算年度 売上高 営業利益 当期純利益 一株利益 一株配当金
2016年 408239 101470 57696 99.3 22
2015年 399863 97255 52330 90.07 22
2014年 393986 100303 51654 88.91 20
2013年 382249 88168 45240 77.87 18
2012年 366838 75014 31366 53.99 16
2011年 372140 82493 36818 63.37 14
2010年 377600 85331 38567 66.38 14
2009年 381301 87519 40681 70.02 14
2008年 378436 100787 47457 81.68 12
2007年 367750 93401 43105 74.19 12

※売上高・営業利益・当期純利益の単位は百万円。出典は東京メトロ公式サイトより。

東京メトロの業績推移を見ると、過去10年(2007年〜2016年決算)の伸び率で、売上高は11.0%、一株利益は33.8%の増加と、相当低い成長力です。マザーズなどの新興成長企業なら1年で達成するような伸び率です。

但し業績は極めて安定しています。前述のように東京の人口増加が止まる可能性は無いですし、最大の顧客である通勤・通学の用途は、好不況の並に影響されませんから、大幅減収になることがまず考えられないビジネスモデルです。実際、東日本大震災の影響があった2011〜12年ですら、わずかな減収減益に留まっています。

従って東京メトロの株は、高齢者を中心に、安定した配当金や株主優待目当てで長期保有する人が多いと予想されます。当然、圧倒的な知名度を武器に、IPOの初値は公募価格を超えてくる可能性が高いです。まだ決定事項ではないですが、おそらく野村證券が主幹事になるはずなので、高齢者へ強烈に売りさばいていくであろう事も、初値が高騰するであろう理由です。

※野村證券は、IPOの株価(初値)が公募割れする確率が最も低い主幹事会社として有名です。今や野村證券で口座を開くメリットは、IPOが強いこと位しか無いです。

 

東京メトロは、株主優待の新設も期待できる銘柄と言えます。鉄道や航空会社などは、自社交通の株主優待券を発行することが多いですが、原価でサービスを提供できるため会社側の負担が少ないからです。まだ決定していませんが、東京メトロも一日乗車券などの株主優待が新設される可能性は高いでしょう。

加えて、当然ながら東証一部に上場することになるはずなので、TOPIXの構成銘柄になるため、インデックスファンドやETFも強制的にメトロ株を買い集める必要が生じます。需給の心配が薄いことも、株価にとってはプラスです。

こうした要素が下支えとなり、東京メトロの株価は上場後も当面高水準を続ける可能性が高いです。IPOにはぜひ申し込みたい銘柄だと言えるでしょう。

上場が先延ばしされ続けた理由〜都営地下鉄と合併?

過去に何度も上場の噂が挙がっていた東京メトロが、中々上場が実現しなかった理由は、東京都がメトロと都営地下鉄の合併(一元化)を主張している事が原因とされています。地方の人は知らないかもしれませんが、東京には都営地下鉄と東京メトロという、二種類の地下鉄が存在しています。

東京メトロが売上高や純利益を着実に伸ばし続けているのとは対照的に、都営地下鉄は赤字運営で、1兆円を超える膨大な負債を抱えています。東京都は、都営地下鉄と東京メトロを合併する事で、負債を解消して経営を安定させたい狙いがある訳です。

こうした一元化を目指す流れは、2012年に猪瀬直樹氏が知事になった頃からの方針ですが、2016年に新都知事となった小池百合子氏がどういった判断をするかに注目が集まっています。東京都は2020年の東京オリンピックに向けて多額の設備投資が必要となるため、それまでに東京メトロを上場させて資金調達を行う可能性は高いでしょう。

余談ですが、鉄道オタクには列車に乗る事をメインにした「乗り鉄」や、列車の撮影をメインとした「撮り鉄」など様々なタイプがいます。その中には、鉄道会社の株の購入を目的とした「会社鉄」と呼ばれる人達も少なくありません。つまり鉄道株は、マニア層にも意外に人気があり、彼らは東京メトロの上場を今や遅しと待ち構えているのです。

東京メトロの上場〜株価が上昇する要素
・業績が安定している。人口の東京一極集中により、鉄道事業や駅ナカ事業が安泰
・安定した配当金や株主優待目当てで個人投資家(特に高齢者)に人気
・野村證券が主幹事のIPOは公募割れの可能性が極めて低い
・鉄道オタクも株を買い支える!?

逆にメトロの株価の不安要素は、冒頭に書いた成長性の低さです。また、都営地下鉄との一元化が実現すれば、メトロが一方的に損をする合併なので株主価値を毀損する事になるでしょう。猪瀬時代から続く都議会と真っ向対立する小池知事が、この馬鹿げた合併を中止させるのかが焦点ですね。

 

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