東電株の空売りが危険な理由 【 WEB金融新聞 】

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東電株の空売りが危険な理由〜株価研究室

東京電力の株価は、東日本大震災による原発事故を受けて、一時はゴミ株同然にまで落ち込みましたが、その後大きく回復しました。

とはいえ、福島原発の事故収束は全くめどが立たず、少なくとも2020年の東京オリンピック開催までに、事態が収束する可能性はゼロでしょう。事故処理や廃炉にかかる費用、被災者への損害賠償費など、今後も東電には莫大なコストがのしかかり続けます。株価が回復したとはいえ、東電の企業としての将来は、明るい展望は予想できません。

ならば、東電株を空売りして儲けようという考えをする、投資家の方も居るかもしれません。空売りとは、株価が下落すると儲かる投資方法です。現在の東電の株価が「虚構の上に成立している」と考えれば、一見すると空売りが有効だと思えてしまうでしょう。

しかし当サイトでは、東電株を空売りすることは、全くお勧めできません。空売りしても、背負うリスクに見合う利益を得られる確率は、高くないからです。その危険を、東電特有の理由と、空売り全般に言える理由とに分けて、解説してみます。

まず東電特有の理由として、彼らは一般の企業と異なり、強引に業績を黒字にすることが可能です。東電をはじめとする電力会社は「総括原価方式」といって、掛かったコストに利益を上乗せした料金で、電気を販売できるのです。原発事故のニュースで何度も登場しているので、ご存じの人も多いはずです。

この総括原価方式が、国の法律で認められている以上、東京電力はその気になれば、幾らでも電気料金を値上げして、赤字を解消することが可能なのです。原発事故後の国民感情を考慮して、2012年までは思い切った値上げは行えませんでしたが、情勢は徐々に変わりつつあります。現に、大きく値上げを決めた後の2013年9月の中間決算では、東電は原発事故後初めて黒字化を達成しています。

この決算発表を受けた翌日、東電の株価は+12円と反発しています。ある程度予測されていたとはいえ、あの東電が黒字化したという事実は、マーケットにとっては大きなポジティブサプライズだったということです。よって、空売りしていた投資家は、大きな含み損を抱えることになりました。

東京電力は、総括原価方式という、強力な日本国の後ろ盾を持っているのです。個人投資家が空売りで立ち向かうには、極めて危険である事が分かります。

 

空売り自体がリスクが高い

もう一つの理由は、空売りという行為自体が、極めてリスクの高い、危険な投資方法だからです(⇒空売りの注意点)。

空売りの場合、最大で得られる利益は、現在の株価の100%までです。例えば株価が500円の時に空売りをして、株価が1円にまで暴落したときに買い戻せば、利益は499円ですね。一方で、空売りの損失は無限大です。株価は5倍にも10倍にもなり得ますから、損失は現在の株価の400%とか900%にもなるリスクがあるわけです。

また空売りには「逆日歩」というコストも掛かります。逆日歩は日々変化し、東電株は当稿執筆時(2014年1月初旬)はゼロですが、決算のある3月や9月には例年発生しています。需給状態によっては、1日で株価の1%以上のコストが掛かります。

損失が無限である事や、この逆日歩の存在を考えると、東電株を空売りする事は極めてリスクが高い、危険な投資方法であることが分かります。勿論、空売りでなく通常の「バイアンドホールド」を行うのも馬鹿げています。成長が見込めず、配当金も当分出せないようなカス起業に、投資する理由など見当たりません。

 

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