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【株主優待】オリックスの株価が割安で放置される理由【高配当】

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オリックスは、法人向けのリース最大手の会社です。一般人には「リース」なんて馴染みが薄いですが、プロ野球・オリックスバファローズの存在があるので、知名度は高いはずです。

しかもオリックスは株主優待が非常に充実しており、配当利回りも4%超え(2019年2月中旬時点。以下も同様)と高い水準です。配当+優待の総合利回りで約7%と凄いにも関わらず、オリックスの株価は長年、割安な状態が続いています。株価指標はPERが約7倍、PBRは0.8倍と会社の解散価値をも下回るという有様です。

なぜオリックスの株は、これほどまでに割安で放置されているのでしょうか?その理由を考察してみました。

オリックスの株主優待は、毎年3月末に株主だった投資家に、「ふるさと優待」というオリックスグループ提携企業のカタログギフトが貰えるという内容です。金額換算すると、保有期間3年未満の「Bコース」は約5千円、3年以上保有の「Aコース」は1万円相当と、かなり豪華です。


※出典;オリックスIRページ

まずオリックスの業績推移です。売上高・純利益共にリーマンショック以降は毎年伸び続けており、2018年3月期の売上高は約2.8兆円、純利益は約3100億円でした。

オリックスの業績推移(億円)
  2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
売上高 13752 21742 23692 26786 28627
純利益 1873 2349 2601 2732 3131

次に売り上げの内訳です。オリックスは元は法人向けリースの専門会社でしたが、近年は不動産や金融など、多角経営化が進んでおり、いわゆるコングロマリット企業へと変貌しています。画像のように、6つのセグメントから大きな偏りが無く利益を上げており、特定の業種に依存しない、リスクヘッジが利いた経営をしています。


※出典;オリックスIRページ

実はオリックスは、2008年のリーマンショック後でも赤字転落していないのです(下記動画の1:20あたりグラフ参照)。トヨタ自動車が2兆円の黒字から4千億円の赤字に転落したのを筆頭に、リーマンショック後は日本の大企業の多くが赤字・経営危機に陥りました。ゆえに大幅減益となったものの、黒字を確保していたオリックスの経営は、極めて優秀だといえます。

なお、2018年時点で有利子負債が4兆円以上ありますが、資産も11兆円以上あり、自己資本比率は23.5%と問題ない水準です。

では何故、これほど弱点が無さそうに見えるオリックスの株価は、割安で放置されているのでしょうか?まずセグメント別に問題点を抽出してみます。

多角化経営でリスクヘッジしたが、投資家が理解できなくなった

リテール部門で伸び盛りだったカードローン事業は、規制が強まっている事で縮小が続いています。不動産事業も、東京の不動産バブル崩壊が始まったので、縮小していくことが確実です。2番目に大きい収益である事業投資(太陽光発電)は、固定買取価格が下落していく今後は増益は困難です。そして最大の収益源である海外事業は、不景気と共に訪れる円高で、利益が縮小されると予測されます。

これらの問題点が、オリックスの株式が割安なまま放置されている、大きな理由だと考えられます。しかし冷静に分析すれば、明らかにネガティブイメージ先行・売られすぎだと分かります。

例えば事業投資(太陽光発電)は、確かに増益は無理でしょうが、景気に関係なく固定的に利益を上げ続けられる安定した事業です。またリテール部門は、実はカードローンよりも生命保険による収益が大半なので、総量規制の影響は小さいです。そして不動産事業も、景気の影響が大きいオフィスビルや賃貸マンションだけでなく、物流施設や商業施設にも分散投資されているので、東京の不動産バブルが崩壊しても破綻しないポートフォリオとなっています。

つまりオリックスの経営は、本当に細かく分散されており、すさまじくリスクヘッジが効いているのです。アベノミクスが終了しようが、大地震が起きようが、簡単には経営が傾かないのです。この経営の分散こそが、オリックスがリーマンショックでも赤字を出さなかった原動力です。

オリックスの最大の弱点は、実は多角化しすぎたことによって、何の会社か個人投資家に理解されにくい業態であることです。前述の動画でも、社長が「何の会社か分からないとよく言われる」と述べていますが、これが株価が上昇しない最大の原因ではないでしょうか?

ソニーやアメリカGE(ゼネラルエレクトリック)、中国の財閥企業などにも共通しますが、経営が多角化しすぎた企業は、投資家に全貌が理解されないので、成長を続けていても人気が上がらず、株価が割安放置される傾向があるのです。

オリックスの株価が割安で放置される理由まとめ
・オリックスの「ふるさと優待」は5千〜1万円相当と豪華
・リースや不動産、保険やカードローンや太陽光発電など多角化経営
・事業が多角化しすぎて、投資家に何の会社か理解されないのが原因?

また、多角化するが故に経営リソースが分散するため、アップルやグーグルのような急激な成長は望めないことも、デメリットと言えるかもしれません。しかし、様々な儲かる業種に参入して着実に増益し、リーマンショック級の大クラッシュが起きても赤字転落しないことは、株主にとってはとても安心できる業態と言えるでしょう。

実はオリックス、リーマンショック後の2009年より、10年連続で増配しています。といっても無理に行っている訳では無く、配当性向は常に30%未満だったので、無理なく「増益⇒配当金増額」のサイクルを継続しています。長期保有していれば内容が大幅アップする「ふるさと優待」と共に、オリックスへ投資するメリットは大きいのでは?

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