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裁定買い残とは?過去のチャートと時系列データ

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株式市場で「売られ過ぎ」「買われ過ぎ」など、相場の需給を知る指標の一つに『裁定買い残(さいていかいざん)』という数値があります。

裁定買い残とは、現物株の買いと先物売りを合わせたポジションを取る「裁定取引」という手法の、現物株を示すものです。機関投資家〜特にヘッジファンドなど外国人投資家が多用する手法で、日本の株式市場に大きな影響を与えます。

どういう事かというと、裁定買い残はあくまで裁定取引なので、その買いは極めて短期の売買です。よって近い将来に必ず売られる運命にある金額だという事です。裁定買い残が増えると、暴落のマグマが貯まる=日経平均株価に下げ圧力が掛かる・・・となります。

裁定買い残は、平時には2兆円前後で推移しており、2007年〜2018年までの平均は2兆1900億円でした。これが3兆円を超えてくると相場の過熱感が警戒され、4兆円を超えると大抵が天井圏となり、日経平均株価が暴落するリスクが高まります。

裁定買い残チャート

裁定買い残の時系列データ(CSV形式)

しかし上記の長期推移グラフでも分かるように、どこまでも裁定買い残が増えていくケースもあります。2007年2月には裁定買い残が6兆円を超えた時期もあったので、イケイケの上昇市況・バブル相場だと、4兆円以上が続くこともありえます。

裁定買い残が1兆円以下=過度の暴落〜相場の底入れ!?

逆に、裁定買い残が1兆円を割ると、売られすぎ〜株価が底入れ・それ以上は下がりにくい状況だといえます。過去10年強の期間で裁定買い残が1兆円以下だったのは、2008年9月のリーマンショック、2011年8月の米国債格下げショック、2016年6月のイギリスEU離脱ショック、そして2018年12月()の4つの時期のみでした。

世間一般には米中貿易戦争が原因とされますが、そこにソフトバンク【9434】のIPOで2.6兆円の資金が拘束された事による需給崩壊が重なり、株式市場が大クラッシュしたのです。

それぞれ、株式市場が大暴落した後、数週間にわたって裁定買い残が1兆円を割り込む時期が続いていました。日経平均株価は、すぐに反発した時期もあれば、リーマンショックのように半年近く底値を這いつくばっていた時期もあります。つまり裁定買い残で、相場の天井や大底をピタリと当てることは無理ですが、株価が上がりすぎ(そろそろ暴落する)や、下がりすぎ(そろそろ底打ち)をある程度見極めるには有効な指標です。

問題は、裁定買い残は週1回しかデータ公表されない事です。東証が、毎週第3営業日の終了後〜つまり通常は水曜日に、先週末までの裁定買い残を発表しますので、3日分のタイムラグが生じる訳です。

★公式データ;プログラム売買・裁定取引(日本取引所グループ)

ゆえに「○○ショック」のような大暴落に対応することは、残念ながらできません。日々の大変動による相場の行き過ぎを見極めるなら、ボリンジャーバンドやRSIのようなチャート系のテクニカル指標や、騰落レシオのように日々計算が可能な需給指標を使って、判断するしかありません。ですが、中長期で投資する事が前提なら、相場の割高・割安をアバウトに判断できる裁定買い残は、タイミングを計るのに役立つ指標の一つです。

裁定買い残とは?過去のチャートと時系列データまとめ
・裁定買い残は、東証が週1回発表する、相場の需給を測る数値
・4兆円を超えると過熱のピーク、1兆円以下は暴落で売られすぎ
・発表までのタイムラグがあるので、短期売買の判断には不向き

相場の需給を見る数値としては、裁定買い残だけでなく「信用評価損益率」や「騰落レシオ」や「空売り比率」などもあるので、総合的に判断することが重要です。そして投資家なら、3月は権利落ちで株価が堅調とか、9〜10月は歴史的大暴落が多いなど、季節毎の需給のクセ(アノマリー)も知っておくべきです。

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