WEB金融新聞

長期間の空売りは危険!絶対に続けてはいけない理由

HOME > お金を貯める・増やす > 空売り > 長期間の空売りは危険!

空売り(ショート)は、市況が悪い時(株価が下落基調)でも利益を出せる方法です。こう聞くと「じゃあ長期的にダメになっていく企業を空売りし続ければ良くね?」と思う人も居るでしょう。実際、空売りの仕組みを始めて知った個人投資家の大半が「ダメな企業の株でも儲けられるぞ〜」と長期のショートポジションを考えます。

しかし現実はそう甘くありません。長期で空売りポジションを持つと、様々なコストが掛かるうえ、大きなリスクも背負うことになるので、現実的には不可能な投資戦略なのです。

例えば・・・日本の家電企業は、世界市場では韓国勢(サムスンやLG)や中国勢(ハイアールなど)に完敗して、苦境に立たされている事はご存知でしょう。なので「ソニーはもうダメだから、100万円くらいを10年とか空売りし続ける方が儲かるんじゃね?」と考える投資家は少なくないです。しかし、何年にもわたって空売りを続けることには、危険すぎて無理があるので、その理由を分かりやすく説明してみます。

信用取引の期限と金利

まず、通常の空売り(制度信用取引)では、6ヶ月という期限が設けられているので、何年もショートポジションを続けることは出来ません。無論、6ヶ月毎に決済して、再度空売りを続けることは可能ですが、その度に売買手数料が掛かります。


空売り(信用取引)には有効期限があります

制度信用ではなく、各証券会社が独自に用意した「一般信用取引」なら、期限がない会社もあります。しかし一般信用取引は『金利(貸株料)が高い』という危険なデメリットがあります。

例えばSBI証券や楽天証券の場合、制度信用取引での空売りは『年率1.15%程度』の金利ですが、一般信用取引だと『2%』と割高になります。ネット証券ではどの会社もほぼ同水準で、野村などの店頭証券だと更に割高です。

★配当金相当額が引かれる

二つめの理由として、ずっと空売りを続けていると「配当金相当額」というコストも掛かることです。これは、決算をまたぐともらえるはずの配当金(ソニーなら3月と9月)を、空売りしている人は逆に支払う必要が生じる・・・というものです。

ソニーの場合、2018年の配当利回りは0.5%程度なので、空売りし続けた人は逆に0.5%分のコストが取られる訳です。また長期的に見れば、ソニーは平均で年1%程度の配当金を出しています(2013年は1.5%だった)ので、長期で空売りし続けると配当金相当額だけでも相当なコスト負担になる可能性が高いです。

毎月の信用管理費も掛かる

また空売りを続けると、一ヶ月毎に「信用管理費」という手数料も証券会社に取られます。ほとんどのネット証券では「1株当たり0.108円(最低108円)」です。一見すると少額ですが、毎月掛かること、そして「最低108円」となっている事が問題です。


何事でも管理・警備するにはコストが掛かります・・・

前述の『ソニー株を100万円(200株)』空売りするケースだと、0.108円×200株=21.6円ですが、最低ラインを下回っているので実際は108円です。1年続けていると1296円、10年だと1万3千円近く掛かる訳です。長期で見れば、結構なコスト負担になる訳です。

★逆日歩という臨時コストが発生するかも?

最後の問題が、空売りする人が増えすぎた時に発生する「逆日歩」という手数料です。通常、逆日歩は株主優待がある小型株で問題になりやすく、ソニーのような超大型株ではありえないと思われがちです。

しかし過去の実績を見ると、ソニーでも時々逆日歩は発生しており、直近だと2017年5月8日と10日に一株0.1円が付いており、2015年には一株0.3円が付いた日もありました。逆日歩は、日証金における信用買いに対して信用売りの枚数が過多になっていることが原因であり、時価総額7兆円規模のソニーですら発生する事があるのです。

そもそも空売りはリスクが高い!長期投資には向かない

このように、長期の空売りには「期限と金利」「配当金相当額」「信用管理費」「逆日歩」という4つの余計なコストが発生する訳です。空売りの規模や配当・逆日歩の具合にもよりますが、ずっと売り続けようとすれば、年間で少なくとも2%台〜酷いと10%位のコストが掛かるケースもあるのです。

そして何より、空売りには『利益は100%未満だが損失は無限大』という致命的なデメリットと『日本経済のほぼ全ての動きに逆らう危険な行為』である事も忘れてはいけないです(⇒空売りの注意点)。空売りは、つなぎ売りや優待クロス取引など、短期間のヘッジ目的だと有効ですが、長期投資で行うにはリスクが高すぎる行為なのです。

長期間の空売りは危険な理由まとめ
・空売りを続けると、金利や配当金相当額など、多くのコストが掛かる
・また「損失が無限大」「日本経済に逆らう行為」という問題も
・よってダメな企業でも、ずっと空売りを続けるのは危険!

ということで、仮に「この企業(業界)はもうダメだろうから、空売りし続けて稼ごう」という方法は、現実的には相当に危険を伴う、無謀な作戦なのです。空売りは『企業のオーナーになる』という株式投資の本質から逸脱する行為であり、短期のリスクヘッジとして慎ましく行うことに留めるのが正解です。

※当ページへのリンクはご自由にどうぞ。但し画像・文章の転記や複製は禁止です。引用される際は当ページへリンクして下さい。
Copyright (C) 2016 http://www.777money.com/ All Rights Reserved.