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日経平均株価と為替レートの相関関係

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日本の株式市場は、ドル円の為替レートに大きく影響を受けます。具体的には、為替が円安になれば、日経平均株価は上昇するというのが、日本では定説のように語られています。では一体、株価と為替にはどの程度の相関関係があり、どういった理由でそのような値動きをするのでしょうか?

まず、1991年以降の日経平均株価とドル円の為替レートを並べたチャートを作り、比較してみました。グラフの起点がゼロではない理由は、チャートの空白をより少なくして、相関関係を一目で分かりやすく表示する為です。その代わり、日経平均(左軸)とドル円(右軸)では、縮尺を揃えていますので(最小値:最大値=1:5)、チャートの相関に偽りがないよう努めています。

日経平均株価とドル円レートの比較チャート

ご覧のように、90年代以降のデータからは、日経平均株価とドル円の為替レートには、明確な相関があるとまでは言えません。本来なら、為替レートが円安(チャートの赤線が上に向く)すれば、日経平均株価(青線)も上向きになるはずです。しかし、92年末〜94年頃に掛けては、円高が進んだのに株価は上昇しています。1997年〜2002年当たりは、完全に逆相関の関係が見受けられます。

では、円安で日経平均株価が上がるというのは、嘘なのでしょうか?実はこの定説は、近年では見事に成立しています。次のグラフは、2005年から直近(2013年5月)までの部分を抜粋したものです。上のチャートと縮尺は変わっていますが、日経平均とドル円の比率は「最小値:最大値=1:4」で同じです。

2005年以降の日経平均株価とドル円チャート

2005年以降をピックアップすると、チャートの赤線と青線が、かなり相関した動きをしていることが分かります。つまり、2005年以降は、日経平均株価とドル円の為替レートには、かなり強い相関関係があるのです。

企業の海外売上比率が増えたことが理由

では何故、近年になって相関関係が強まったのでしょうか?この理由は、日本の大企業の海外売上比率が、90年代に比べて飛躍的に増えているからです。

トヨタやホンダ、ソニーやパナソニックなど、日本経済の中心となる自動車・家電産業は、2000年代以降に海外売上比率を大きく増やしてきました。また、過去には輸入企業であった内需型企業(イオンやらキリンやら日清食品など)も、近年は中国を中心にアジア諸国に積極的に進出し、海外売上を増やしています。中国の人民元は米ドルとペッグしているので、これらの企業の売上もやはり、ドル円レートが円安になる方が有利です。

従って、今後も日経平均株価とドル円の為替レートが、高い相関関係があり続けると予想されます。株式投資する際には、その企業のニュースや業績だけではなく、為替レートに関する事象(日米の政策金利や量的緩和の拡大・縮小など)にも、注意を払っておくべきでしょう。

ユーロや人民元など他の通貨は気にしなくてOK

なおここでの為替は米ドル=円について解説していますが、他の通貨についても基本的にほぼ同じです。というのは、ドル円が円高に動けば、ユーロ=円や英ポンド=円も大抵が円高に動く〜というように、ほぼ相関するからです。

「円」という通貨は長年ゼロ金利が続いた影響で、世界中の投資家から「円キャリートレード」の原資とされてきました。そのため、たとえば「2016年7月のイギリスのEU離脱」のように、日本が直接関係ない事件でも、世界中の投資家がリスク回避の行動を取ることで、円が買い戻されるので、ドル円だけでなくユーロ円などでも円高が起きるのです。

また、日本にとっての最大の貿易相手国=中国の人民元は、米ドルと事実上ペッグしているため、ドル円の値動きと基本的に全く同じになります。

従って、日経平均の値動きを見る際には、他のあらゆる通貨もおおむねドル円と同じように円高・円安となるので、ドル円だけ見ていれば十分なのです。この傾向は理論的に、日本の長期金利が上昇しない限り、永久に変わることは無いと考えられます。従って当面は、日本の投資家はドル円相場を注視していればそれでOKです。

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