| 金融商品比較 | 【 WEB金融新聞 】 | 平成23年 7月 発行 |
マイクロファイナンス投資の利回りとリスク近年、新たな金融商品として「マイクロファイナンスファンド」の注目が集まっています。マイクロファイナンスとは、主に途上国の貧困層を支援する為に設けられた、個人向けローンのことです。バングラディシュのグラミン銀行で有名になりました。 マイクロファイナンスの運営機関(MFI)は、貧困層へ融資する為には、元手となる資金が必要です。そこで1つの方法として、世界中の投資家から「投資信託」のような形で資金を集め、貸し付けた利息を分配金の原資とする方法が取られています。以下のグラフは、大和証券が販売した日本初のマイクロファイナンスファンド「大和マイクロファイナンス・ファンド」をベースにしています。
大和マイクロファイナンス・ファンドでは、世界の約300ものMFIへ出資しているということで、地域リスクが分散されています。また意外なことに、マイクロファイナンスは貧困層へ無担保融資であるにも関わらず、連帯責任制など返済に工夫がなされている為、実は貸倒率が低いのです。大和の同ファンドでも、貸倒率は1.28%と報告されており、一般の住宅ローンなどよりもずっと低いです。 一方で、同ファンドの貸付利息等から推計された期待利回りは、年率8.1%と優秀な数値です。信託報酬が年1.98%と高いですが、上記のようにリスクは分散されていて低いので、投資対象としては悪くない存在です。但し、貸付は全て外貨建てなので、円高による為替差損リスクは注意が必要でしょう。 寄付ではなく融資(出資)が優先される理由貧困層への貸付で利益を求める事に対し、道徳的に賛同できない人もいるでしょう。つまり、見返りを求める「融資」ではなく「寄付」にすべきでは?という意見です。 しかし実は、寄付よりも貸付の方が、貧困層の自立に有効だというデータが、世界中で数多く挙がっています。単なる寄付では貧困層に甘えが生じ、まじめに仕事に生かさずに、浪費されるだけで終わる確率が高いようなのです。 またマイクロファイナンスを実施するMFIの運営も、寄付やボランティアなどの善意だけでは到底回りません。マイクロファイナンスでは、貸付するのも回収するのも、人員を割いて手作業で行わざるを得ません。なぜなら、途上国の貧困層が済む地域は、金融機関の支店やATMなどが存在しないからです。 しかも交通網だって整備されていないので、融資活動に非常に手間や時間が掛かる=コストが膨らむ性質があるのです。ボランティア活動では資金的に継続できないので、しっかり利息を取って、ビジネスとして運営せざるを得ないのです。 そしてもう一つの理由として、寄付では集められる資金に限度があるという問題もあります。人々の善意だけに頼っていれば、世界中で30億人とも40億人ともいわれる貧困層に対して、十分な援助を行えません。ですから世界のMFIでは、銀行からの融資や一般投資家からの出資をメインに、運営されるケースが主流となっています。
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