| 金融商品比較 | 【 WEB金融新聞 】 | 平成23年 7月 発行 |
個人向け社債の問題点社債は本来、数億円単位で購入してくれる「機関投資家(法人)」へ販売する物でした。しかし近年では、一般向けに販売する「個人向け社債」の発行も増えています。 個人向け社債の購入は、証券会社を通じて行います。但し株式と違い、常に売買出来るマーケットがある訳ではなく、基本的に公募時にしか購入できません。個人投資家からの人気が高まっていることもあり、抽選でしか購入できないケースも少なくありません。また途中売却についても、コストや時間が掛かる問題があります。
社債を購入した投資家は、毎年定められた利息を得られつつ、満期が来たら元本が返金されます。社債を購入することは、その企業にお金を貸すということです。 社債は、預貯金や国債といった元本保証型の金融商品と比較して、平均的に利息が高いことが特長です。例えば、近年人気を集めたSBI証券の社債は、利息が税引き後で年1.5%程度ありました。株式の配当金に比べれば少ないですが、株式には価格変動リスクがあるので、元本が目減りする恐れもあります。社債なら、満期が来れば元本が戻ってくるので、元本割れリスクは極めて低いです。そのうえ1.5%程度の利息が付くことは、投資家には魅力的に写ったのでしょう。 但し、社債の元本保証は、あくまでその会社が保証すると言っているだけです。会社が破綻すれば、社債が元本割れする(元本の一部しか返金されない)可能性が高まります。ですから、社債の利回りと倒産リスクは基本的に比例します。経営が安定している会社の社債ほど、安全性は高いですが、その分利息は低く押さえられています。 リスクに対して利回りが見合わない!?人気の個人向け社債ですが、その成り立ちからして、一つの疑念があります。なぜコストが掛かって面倒な個人投資家に販売するのか?それはその企業の社債が、そもそも機関投資家には買って貰えないからでは?とも見れるはずです。財務内容が悪く、信用格付けが低い企業の社債は、機関投資家は(社内規定などで)買えないことも多いです。ゆえに仕方なく、個人投資家から資金調達している企業もあるということです。 それに反して、個人向け社債は、一般の社債に比べて利息が低く抑えられているケースが多いようです。その理由として、個人向けの販売は数百万円単位ですから、一社で数億円買ってくれる機関投資家に対してよりも、販売〜管理コストが掛かってしまうからです。もう一つの理由として、個人投資家に人気である為、発行する企業側が強気の設定(利率を低くする)をしても、十分完売できるからです。要は個人投資家が、足元を見られている訳ですね。 このように個人向け社債は、色々と問題がある「いわく付きの商品」と言っても過言ではありません。そのリスクに比べれば、利回りはかなり低い場合が大半なので、積極的に購入すべき金融商品とは言えないでしょう。投資する際には、このような問題点を十分把握しておくべきですよ。
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