PERの割安な水準は? 【 WEB金融新聞 】

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PERの割安な水準はどの位?

株式投資で最も有名な指標であり、おそらく大半の投資家が意識している指標として「PER(株価収益率)」が挙げられます。PERとは、一株利益を株価で割った数値であり、数値が低いほど株価が割安だという意味になります。この辺は解説せずとも、皆さんご存じですよね。

では「PERが割安な水準は何倍以下なの?」と聞かれると、どう答えるべきでしょうか。まず一般的に、平均的な基準値といわれるのは「PER=14倍」です。この14倍を元に、割高・割安を語られる事が多いです。

この理由の一つは、年間の利益成長率が7.2%であれば、10年で利益が2倍になるので、切りの良い目標だからです。そして年間の利益成長率7.2%というのは、PERで表せば約14倍に相当します(利益成長率=PERの逆数)。もう一つの理由は、アメリカ株式市場の1870〜2001年の平均PERが14.5倍という、過去のデータからです(ソース:J・シーゲル「株式投資」)。

しかしこの14倍というのは、あくまで全業種の平均値としての話です。過去のデータからは、PERの水準は、業種によって大きく異なっています。一般的に、IT企業や生活必需品産業などはPERが高く、自動車や家電などの一般消費財や、エネルギー・鉱業などのPERは、低く推移する傾向が強いです。

これは、産業によって成長力と安定性が異なることが理由です。自動車や家電などは、景気が減速すれば、企業収益が急速に悪化する性質が強いです。2008年決算では2兆円以上の営業利益があったトヨタ自動車は、リーマンショック後の2009年には4000億円を超える営業赤字に転落しました。自動車や家電などは、生活に必須ではないので、景気が悪化すれば、真っ先に購入を見送られる商品であることが原因です。

同様に、エネルギーや鉱業なども、景気の減速によって需要が急減するので、価格が暴落して企業収益が急減します。2008年7月にピークを付けた原油価格は、リーマンショックで暴落し、世界の石油企業や日本の商社などは、業績が急激に悪化しました。

よって、自動車や家電、エネルギーや鉱業などの企業のPERは、通常は10倍以下の水準であることが目安です。PER7倍以下なら割安と言えるでしょうが、一般的にいわれるPER14倍というのは、これら企業にとっては少々割高になります。

業種によって割安か否かの水準は変わってくる

逆にIT企業などは、投資家の期待値が常に高くとも、利益成長力も非常に高いので、問題になりにくいです。IT企業なら、PER20倍以下なら割安、15倍を割れば相当お買い得な水準という場合も、十分あり得ます。

また、IT企業は何となくイメージしやすいでしょうが、実は生活必需品企業(食品や、石鹸とかの日用品)や、医薬品企業なども、PERは平均よりも割高な水準です。その理由は、食料品や石鹸・生理用品などの日用品などは、景気が悪くなったからといって、売上はほとんど減少しないからです。医薬品なども同じです。ゆえに、不景気時にも企業の利益は落ち込みにくいので、投資家が常に保有したがる産業なので、PERが割高になりやすいのです。いわゆる「ディフェンシブ銘柄」というやつです。

業種別PER相関図

そして、業種毎のPERと、利益の変動性を図で表すと、大体このようになります。本来なら、PERが高いほど利益の変動率も高くなりそうに思いますが、そうとも限らない訳です。自動車や家電企業は低PERの割には利益変動が激しく、ヘルスケア(医薬品)や生活必需品企業はPERは高めなのに利益が安定しています。

なお、上記の水準や傾向は、あくまで平均的なものであり、個別の企業によって事情が異なってくるのは言うまでもありません。PERは投資家の人気によっても、大きく左右されます。例えば同じ通信業でも、ソフトバンクのように投資家の人気が高い企業は、NTTドコモのような保守的な企業よりも、PERが高めになりがちです。

 

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