立会外分売の株価への影響 【 WEB金融新聞 】

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立会外分売の株価への影響

株式の世界で、企業が「立会外分売」というものを行う場合があります。ネット証券に口座を持つ人なら、立会外分売の案内メールなどで見たことがあるかと思います。この立会外分売とは一体どういうもので、株価にどのような影響を及ぼすのでしょうか?

まず立会外分売とは、大株主が持つ株を株式市場を通さない代わりに、値引きして個人投資家に直接株式を売却する行為のことです。大株主というのは、その上場企業の創業一族だったり、あるいは企業自身が保有する自己株式、その企業の親会社の持つ株式(あるいはその逆)、などを言います。

株式市場のザラ場中に、これらの大株主が大量に売りに出されると、不祥事か?などと様々な思惑を呼んで株価が暴落するリスクが大きいので、市場を通さずに直接売却したいという意向があるのです。 マーケットを通さない分、立会外分売では市場価格よりも少し割安で、個人投資家に売り出されます。

立会外分売は、取り扱うどの証券会社でも同じ価格で売り出されるので、有利不利は生じません。以下、古くからネット証券で立会外分売を行っているマネックス証券の公表している数値を集計し、影響を調べたデータです(2015年は10月上旬まで)。立会外分売の前日終値に対する割引率は、2007〜2015年の平均で2.96%でした。

  総数 分売割引率 終値/分売 終値/前日終値
2015年 75 2.7% 101.3% 98.6%
2014年 93 2.87% 101.6% 98.6%
2013年 152 2.98% 101.6% 98.5%
2012年 80 3.05% 101.2% 98.1%
2011年 51 2.96% 100.8% 97.8%
2010年 60 3.11% 99.7% 96.7%
2009年 42 3.08% 100.7% 97.6%
2008年 35 3.04% 99.8% 96.8%
2007年 37 2.94% 99.7% 96.7%
全加重平均 625 2.96% 100.99% 97.98%

一方で、立会外分売が行われた企業の株価は、当日のザラ場中に下落することが多く、これも同期間で平均すると2.02%の下落率です。以上をまとめると・・・

立会外分売の株価への影響は
・当日の株価は前日比で平均約2%下落する
・立会外分売の価格は平均で前日比約3%の割引率

となります。株価は下落しますが、立会外分売で購入すれば、下落率より更に約1%割安な値段で買えるので問題ない、と言うことになりますね。

ちなみに、大引け値が分売価格より10%以上も暴落した企業は、9年間で5社ありましたが、内4社はジャスダックやマザーズなどの新興市場の銘柄でした。新興市場の企業は、後述する東証一部への昇格狙いではなく、単に創業者一族が売り抜ける目的で立会外分売を利用するケースもあるため、何か不祥事でも抱えていないのか?等を注意する必要があります。

 

デイトレード〜即日売れば平均1%の利益

以上の性質を利用すれば、立会外分売を発表した企業の株を、短期売買で利ざやを上げる方法も考えられます。

最も単純なものとしては、立会外分売で購入し、その日の終わり(大引け)で売るデイトレードのような方法です(上記表の「終値/分売」の部分)。立会外分売で購入して、その日の大引けで売れば、100.99%になるので、およそ1%の利益が稼げる計算です(ちなみに、寄りつきで即売ることは出来ない)。しかも立会外分売で購入する際には、手数料が掛からないので、売買コストも売る時だけで済みます。

1%弱の利益といえばしょぼく聞こえますが、デイトレードになるので少ない資金を回転させて利益を積み上げていけるメリットがあります。立会外分売はトヨタやソニーのような超巨大企業はほぼ行わず、中堅以下の企業が大半です。そんな企業なので、ほとんど単元で100万円以内で買えるので、資金が数十万円しか無くても、分売がある度に回転売買させていけます。この方法をくり返せば、元本に対する利回りは年間で10%以上稼ぎ出す事も可能でしょう。

東証一部への昇格狙いが王道

しかし立会外分売の投資の王道は、市場替え〜東証一部への鞍替え狙いです。立会外分売を行う企業の目的の一つは、個人株主数を増やすことです。ジャスダックやマザーズ、東証二部に上場している企業が、東証一部へ昇格するには、一定の条件が必要です。その一つが「株主数2200人以上、流通株式数2万単位以上」というものです。東証一部へ昇格を狙うには、個人株主を増やす必要があるので、創業者などが立会外分売で株を売り、条件を満たそうとする訳です。

そして東証一部に昇格すれば、株価はほぼ間違いなく上昇するという影響が生まれます。その理由は、東証一部の銘柄はTOPIX(東証一部の平均株価指数)の対象になるからです。TOPIXに連動して運用されるインデックスファンドやETFは、自動的にその銘柄を購入せざるを得なくなるので、買いが増えて株価が上昇するのです。

この「東証一部への昇格」を予想して、立会外分売の企業を長期保有していれば、狙い通り昇格すれば大きな利益が得られます。但し、実際に昇格を果たせる銘柄は少ないですから、優秀な企業のみ狙うのが王道です。優良企業の株を割安で買えるというメリットを第一に考え、昇格すればラッキーぐらいに思っておくべきでしょう。

 

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