マネシタ電気の由来 【 WEB金融新聞 】

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マネシタ電気とは?語源の由来

皆さんは「マネシタ電気」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? これは実際にこんな名前の電気屋があるわけではなく、松下電器のことを揶揄した造語です。年輩の方なら知っている人もいるでしょう。

松下電器(別名ナショナル。現パナソニック)は、高度経済成長期より現在に至るまで、日本最大の家電メーカーとして君臨し続けています。創始者である松下幸之助は「経営の神様」とまで呼ばれたカリスマ的人物です。

そんな松下の得意な戦略は、他社の作った製品を真似して類似の製品を作り、それを圧倒的な販売網の差を生かして売ることで、開発元メーカーのお株を奪うことでした。例えばソニーが新製品を生み出したら、松下がすぐに「真似して」同じような製品を世に送りだす・・・という方法です。せっかく研究開発を重ねてオリジナルな製品を作っても、最大手である松下にすぐに真似されては、差別化ができません。ゆえに、ライバルメーカーの営業マン等が、松下を皮肉を込めて「マネシタ電気」と呼んでいたようです。

しかし松下電気が行っていた「他社製品の模倣」は、経営戦略としては正しい手法です。これは「同質化戦略」と呼ばれるもので、企業マーケティングのバイブルと言われる「ランチェスター戦略」の中でも、最も中心となる方法論です。ブランド力や生産力・販売網などで優位に立つ企業は、ライバル企業と同じような製品を作って売ることが、最も効率的に稼げる手段になるのです。

ランチェスター戦略の「同質化」

マネシタ電気とうたわれていた50年代から70年代頃は、今で言う家電量販店などは存在せず、各地域の「町の電気屋さん」で家電製品を買う時代でした。町の電気屋さんは各メーカーの販売代理店であり、他社の製品は基本的に扱いません。そして松下(ナショナル)は、日本全国に最も多く販売店網を持っていました。

ソニーやその他家電メーカーが新製品を開発しても、それと似たような製品を作って売り出せば、販売力の差がものをいって開発元の企業以上に儲けることが出来たのです。当時は松下の家電製品は、どれも27%前後のシェアを持っていたそうです。これは全国にある「町の電気屋さん」における、松下系列の店の割合が約27%だったから、どの製品も同じようなシェアになったと言うわけです。

しかし、松下は何も違法行為を行っていた訳ではありません。他社の特許を無断使用した訳でもなく、また近年の中国・韓国のパクリ製品のように、造形やネーミングまで酷似させるような下衆な真似はしていません。それにパナソニックだけでなく、トヨタ自動車やコカコーラ、キヤノンなど、業界トップシェアを誇る企業は、多かれ少なかれ必ずランチェスター戦略に習って、同業他社との同質化を図っています。

模倣品(リバースエンジニアリング)が製造業の原点

そもそも日本の製造業は、テレビ・冷蔵庫・洗濯機などの家電製品や、自動車などを欧米メーカーの模倣をすることから始めました。海外の製品を分解してその仕組みを分析し、自分達はさらに品質の良い製品に作り上げることで、世界一の製造業国家となり得たわけです(この方法を「リバースエンジニアリング」という)。その過程では、欧米メーカーから「模倣品だ!」と非難された時代もありましたが、やがては品質に勝る日本製品が評価されるようになりました。例えば現在のアメリカでは、国産の大手家電メーカーは全滅し、品質に勝る日本からの輸入品が市場を席巻しています。

つまり日本の製造業の原点は「真似すること」から始まっており、しかも中国や韓国のような劣化コピー品ではなく、より高品質な商品に作り替えてきたわけです。松下電気は単に「マネシタ」だけではなく、品質も圧倒的に高かったから、ナンバーワンであり続けていたのです。

 

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